アメリカ、新型コロナウイルスで大学合否の判断基準はどう影響するのか❓

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新型コロナウイルスの猛威で最多の死者を出しているアメリカ、5月18日の時点で8万9932人になる。アメリカ教育界は世界のどの国よりもいち早くオンライン授業💻に移行した国だ。(息子の大学は2日くらいで移行)在学中の生徒、これから9月からFreshman(1年生)になる生徒はまだいいとして、これから受験の高校2年生はどうするのだろうか😏(ちなみに現時点の高校3年生はすでに受験を終え合否をもらっている)

 

最近のニュース(https://www.nytimes.com/article/sat-act-test-optional-colleges-coronavirus.html)ではアメリカの名門校🏫を筆頭に続々とSATやACTを免除する方針を打ち出して来ている。SATとは大学進学希望者を対象とした標準学力テストで、アメリカの各大学で合否基準として広く使われており、大学進学を希望する米国内の高校生の多くが受験している。ACTも割と歴史の浅いテストだが記述を中心とした同じようにメジャーな学力テストだ。年に6回くらい受験日が設定されており、通常3回くらい受験して点数が高い方✨(もしくは全ての回数のSAT)を願書の際に提出することになっている。

 

アメリカの大学🏫ではSATもしくはACTはほぼ全ての大学で要求されていて足切りのような位置付けであるが、今回のコロナ問題でこのテストが受けられないという事態になって来ている😢まず全世界で3月14日の試験からキャンセルになり高校生からは戸惑いの声が聞こえて来ている😵

最新の大学の発表ではこのテストを受けても受けなくても良いとする方針を打ち出して来ている。ハーバード、プリンストン、コーネル、エール、アマースト、ウイリアムズ、ジョン・ホプキンズ大学など主要な大学がテストを免除し出して、他の多くの大学もこれに追随するのだろうと思う😀

 

大学それぞれの方針も違う。取り敢えず2020−2021年の受験のみ免除する大学、2024年の受験まで免除するなど様々だ。提出してもしなくても合否に有利不利はありませんよ、と、どの大学も言っているのだから提出する意味が完全になくなる。これを機にもう今後これらのテストは提出不要と表明した大学もある👍

 

アメリカの大学出願で要求されるのはGPAという学内成績、これが一番大事なもの、そして二人の先生からの推薦状、学校のカウンセラーからの手紙、エッセイ、稀にインタビューもある。

今回の方針転換でSATやACTがなくなり、大学側が点数で生徒を評価できるのは学内成績だけになった。

当然、これにより、不利と感じる生徒もいれば有利になったと感じる生徒に分かれる。でもただでさえ高額な学費💲のかかるアメリカ、不景気になって大学に進学できない生徒も急増すると考えられるのでコロナの恩恵を受けられるのは、ほぼ少数の生徒やその家族なのかもしれない😢

 

実はこのSATとACTというテストには近年批判もあった。替え玉受験が横行したり、塾や高い家庭教師をつけある程度勉強すれば高得点が狙えるので裕福な家庭の子供達に有利に働いていて不公平であるとか💦

一時的にこれらのテストが免除とするとしたものの、既に、これを機会にSATやACTという合否評価そのものが必要なのか、別のもっと良い評価の方法あるのではないかという議論にシフトして来ている。

流石に早いアメリカ。そもそも少数だがSATやACTを当初から要求して来なかった名門シカゴ大学ニューヨーク大学もある。

 

この変化を見ていて日本の教育界はどうなのでしょう❓4月入学から9月入学の議論は盛んですが相変わらずテストの点数ありき。人材をどのように評価しようかと大きな変化はあまり見られない、というか、このコロナの騒動でそのような議論まで聞こえてこない。議論が発展しないのだ😓

ポストコロナのアメリカでは問題視されていたSATやACTの存在意義にまで変化を及ぼしている。ではもしSATやACTが不要になれば中高、ましてや初等教育機関は何を教育するのか、という教育界の大きな変革が待っているのかもしれない。当然産業界人も広く社会的にも変化を及ぼす。

 

どんな教育を与えれば10年後、20年後の我が子は社会で成功したり、活躍できるのだろうか、また深く考えさせられる。コロナ問題は人類が超えなければいけない課題に対して想像する力を与えてくれるね😏